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愛犬や愛猫の食欲がない?|病気やストレスが隠れているかも

愛犬や愛猫の食欲が落ちていても、「いつものことかな」とつい様子を見てしまうことはありませんか?
確かに、気まぐれでごはんを食べないこともありますが、その食欲不振(食欲がない状態)が病気の初期サインである可能性もあります。日常生活の中で小さな変化に気づくことが、愛犬や愛猫の健康を守るための第一歩です。

今回は、犬や猫の食欲がないときに考えられる原因や対処法を詳しく解説します。

■目次
1.食欲不振の原因は?
2.いつ病院へ行くべきか
3.診断方法
4.治療方法
5.予防方法やご家庭での注意点
6.まとめ

 

食欲不振の原因は?


食欲をなくしてしまう原因としては、以下のようなものが考えられます。

<病気以外の原因> 
誤飲誤食:誤って異物を飲み込んでしまうと、胃腸の不調を引き起こし、食欲が低下することがあります。特に、おもちゃや布、ビニール袋などが原因となることが多いので、普段から注意が必要です。

ストレスや環境の変化:引っ越しや新しい家族の登場、騒音や匂いの変化が原因で、一時的に食欲が落ちることがあります。新しい環境に慣れるまで様子を見ましょう。

季節や気候の影響:夏の暑さによる「夏バテ」や、冬の寒さで代謝が低下することもあります。暑い日は涼しい場所を確保し、寒い時期には室温を適切に保つように心がけましょう。

加齢:年齢を重ねるにつれて、食欲が落ちることもあります。日々の観察が重要です。

気まぐれ:食べ物の嗜好が変わった場合や、普段よりも贅沢な食べ物を要求することがあります。

 

<病気による原因>
感染症:パルボウイルス感染症、FIP(猫伝染性腹膜炎)、カリシウイルス感染症 など

内臓の病気:胃腸、心臓、膵臓、肝臓、腎臓、泌尿器の病気、子宮蓄膿症 など

口の中の病気:口内炎や歯周病 など

体の痛み:関節炎や椎間板ヘルニア など

 

いつ病院へ行くべきか


「食欲がない」という症状だけでは、原因を判断することができません。そのため、まずは病院に電話してご相談いただくか、直接ご来院いただいて獣医師にご相談ください
ただし、食欲不振が1~2日続く場合や、水も飲まずに元気がない、嘔吐や下痢などの他の症状が見られる場合は、早めに病院を受診しましょう。

食欲不振は病気のサインである可能性もあるため、少しでもご心配なことがあれば、どうぞお気軽にお尋ねください。
当院では、飼い主様の不安を少しでも軽くできるよう、丁寧に診断し、安心していただけるよう努めております。

 

診断方法


食欲不振は、体のトラブルのサインにはなりますが、原因がたくさんあるため、様々な検査を行い原因を特定していく必要があります。1つの検査で考えられる原因でないことを確認していき、その作業を繰り返し原因を特定します。

診断の際には、まずは問診で愛犬や愛猫の様子を詳しくお聞きし、その後、視診、触診、聴診を行います。 
さらに、必要に応じて糞便検査や尿検査、血液検査、画像検査など、幅広い検査を進めていき原因を特定していきます。

 

治療方法


治療方法は、原因によって異なりますが、薬や点滴での治療、食事療法、そして場合によっては手術が必要になることもあります。
最適な治療法を選び、愛犬や愛猫の健康をサポートします。

 

予防方法やご家庭での注意点


食欲不振の原因はたくさんあるため、すべてを予防することは難しいかもしれません。しかし、日々のケアやちょっとした心がけで防げる病気もあります。

<病気の予防>
ワクチン接種や寄生虫予防薬の投与を行うことで、一部の感染症を予防できます。ワクチンや薬によっては防げる病気が異なるので、わからないことがあればいつでもご相談ください。

また、避妊・去勢手術を行うことで防げる病気もあります。生後半年頃から手術が可能ですので、繁殖予定がなければ早めに手術を検討しましょう。

 

<食事管理>
置き餌は控えて、1日のごはんの量を2〜3回に分けて与えるようにしましょう。食いつきが悪いときは、フードを少し温めたり、トッピングを加えたりすることで食欲を刺激できます。
また、大袋でドライフードを購入している場合、開封後にフードが酸化して風味が落ちることがあります。小分けにして保存し、フードの鮮度を保つことも大切です。

 

<適度な運動>
私たちと同じように動物たちも運動をするとお腹が空きますし、ストレス解消にも役立ちます。できるだけ毎日、散歩や遊びの時間を設けて、愛犬や愛猫に適度な運動をさせてあげましょう。

 

<自宅での観察ポイント>
食欲不振に気づいたら、以下のポイントを観察しましょう。

体重の変化:急に痩せたり太ったりしていないか?
便の状態:下痢や便秘がないか?
水分摂取:普段よりも水を飲む量が増えたり減ったりしていないか?
行動の変化:遊びたがらない、元気がない、普段よりも寝てばかりいないか?

これらの変化に気づいたら、まずは獣医師にご相談ください。

 

まとめ


犬や猫の食欲不振には多くの原因があり、私たち獣医師でもその症状だけで原因を特定することは難しいことが多いです。そのため、早めの受診と適切な検査が非常に重要です。

食欲不振はよく見られる症状だからこそ見過ごされがちですが、少しでも気になる症状があれば、ぜひ当院にご相談ください。愛犬や愛猫が健康でいられるよう、丁寧に対応させていただきます。

FIPについてはこちらで解説しています

 

埼玉県狭山市の「かすみペットクリニック」

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